Village,some day I return

ひび割れた床へ足を踏み出した。
思ったよりしっかした踏み心地で半ば拍子抜けはしたが、油断は禁物とゆっくり進む。

丁度半ばまで進んだ頃。
何の前振りも無く、突然地面が揺れだした。
それと同時に強烈な光が襲いかかる。
上を向くと、そこにあるのは───青空。
不安定な足元と、突然現れた抜けるような青空に平衡感覚が悲鳴を上げた。
そして頭上の青空が広がり、やがて、青空が落ちてきた。

床が消え、身体が浮くような感覚があったが、思ったより衝撃も無く着地できたのは足元に敷き詰められた枯葉のおかげだろうか。
青空と対象的な真っ赤な紅葉が広がる森。
そこにあるのは、朽ちた古めかしい家。

何年も手入れされていない廃村の様子を見て回っていると、一軒の廃屋からずるりと何かが這い出して来た。
明らかに敵意を持ったそれに、武器を構えた

勝利条件：20ターン以内の敵の殲滅
地形効果：なし

出現する敵

モンスターを倒すと、もうモンスターが居ないか廃屋を確認する事にした。
モンスターは居なかったが、老いた獣人が一人。
老獣人は突然の訪問者に驚いた様子も無く、こちらを迎え入れる。

｢どなたかな？ 我が眷属では無いようだが……旅の者か？ いや、しかし……｣
目が見えないのだろう、鼻を鳴らしてこちらの事を確かめようとする。

｢懐かしい臭いがする……息子の臭いだ……旅の人？｣

こんな村にも、この老獣人にも見覚えは無かった。
しかし、何故か関わりがあるような気がして銀の狼爪を取り出す。

｢それは、息子の……！｣

よたよたとこちらに近づき、銀の狼爪の感触を確かめる。

｢そうか、息子の遣いの者でしたか、やっとあれを倒してくれる冒険者を見つけて寄越してくれたんですな…！
あれはまだ井戸の中に根を張っているはずです、ささ、お願いします……｣

断るに断れない、そんな必死さだった。