Passion of Count Hoholoy

海岸から、丘の屋敷へ向かう事にした。
後ろを振り返ると、果てしない海の景色の中にポツンと茶色い点が見える。
青い空と波の音を聞いていると、あの向こうが塔の中、というのが信じられなくなってくる。

１０分ほど歩いたろうか、ようやく屋敷の前まで辿りついた。
海岸からでも見える位だから大きいだろうとは思っていたが、やはり間近で見ると圧倒される。
小さな城と言っても良いくらいの大きさだ。

入口を探して屋敷の周りを回っていると、角から壮年の男が走ってくる。
遠めにも高そうだと分かる服を纏っているところを見るとこの屋敷の主だろうか
男はこちらに気づくと驚きながらも駆け寄ってくる。

｢旅の者かね、ようこそ我が屋敷へ！｣

息を切らしながら乱れた髪とタイを整え、大仰しくこちらを招く仕草をする。

｢何の歓迎もできなくてもうしわけないが――――｣

男の後を追いかけるように、館の角から一体の石像が姿を現す。

｢襲われているんだ、助けてはもらえないだろうか？｣

勝利条件：30ターン以内の敵の殲滅
地形効果：なし

出現する敵

石像は身じろぎすると、一枚のカードへと姿を変えた。
地面に落ちたカードは真中でかなり大きく破けている。

｢傷ついて封印の力に負けたか｣

男は残念そうに破れたカードを拾う。
聞いた事の無い呪文を呟くと、破れたカードは青い炎を上げて燃え尽きた。

｢助けてくれて感謝するよ。
ぜひ我が屋敷へ来てもらえないか、感謝の意を込めて歓迎したい！

……のはやまやまなのだが、屋敷が今たてこんでいてね
君ならトラブルに強そうだ、少し手伝ってはもらえまいか｣