Eat or Die

階段を下り、地下４階へと進んだ。

階段を下りている最中から、良い香りがただよってくる。

地下４階の扉を開くと、そこにはやはり執事姿の男の姿があった。
その後ろには、薄暗い石造りの部屋に似つかわしくない、綺麗に整えられ、白いクロスの置かれたテーブル。
そして、たった今作られたかのように湯気をたてる料理の数々。

執事の男が一歩前へ踏み出し、うやうやしく一礼する。
｢あの姉妹でも止められないとは、いやはや、思った以上でございます。
主がその労をねぎらうように申されましたので、おもてなしの料理を用意させて頂きました｣

もぞり、と料理が湯気をくゆらせ動き出す。

｢さあ、どうぞ。 遠慮なく食べられてください｣

料理がふわりと浮き、犠牲者の胃袋へ一直線に向かってきた！

勝利条件：30ターン以内の敵の殲滅
地形効果：なし

出現する敵

息を整えながら、口の中にねじり込まれた…いや、食材自らその体をねじ込んできた残りを飲み下す。
胃の中で暴れたりしないだろうな、と少し不安になるが、どうやらその心配は無さそうだ。

その様子を見ながら、執事の男が爽やかな顔で拍手をする。
｢いや、見事な勝利でした。
ニンゲン達はよく『勝利の味は格別だ』と申しますからね、さぞ御堪能頂けたと思います。
―――いやはや、これだけの食材を用意するのは大変でしたよ

それでは、一度街に戻られてゆっくりと御休み下さい。
ベッドも御用意しようかと思ったのですが、やはりいつも寝泊りされてる場所の方がくつろげるでしょうし｣

執事はそう言いながら、テーブルの上へカードを一枚置き、部屋の隅にある扉を指す。

｢地上へは、あちらの部屋から。
次の階へは、またこのカードをご使用ください｣

爽やかな笑顔を浮かべ、執事は煙のように姿を消した。

誰も居なくなった部屋を探してみたが、地下へ降りる階段は見当たらない。
この下へ行くには、一度地上に戻りカードを使わければならないようだ。

執事の指した部屋の隅の扉に入ると、動く部屋は疲れた体を地上へと運ぶ。
地下１階のエントランスに灯された蝋燭が、出迎えた。